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OZAWA Weblog

製造業で働く、個人投資家のブログ。

THKのLMガイドが供給不足で納期10か月とか

最近、職場でリニアガイドという部品が手に入らないと同僚が愚痴っていたのが気になり、調べてみた。 今まで、リニアガイドは即納で買えたのに最近は納品に10か月ほどかかるみたいで、
他のリニアガイドメーカーのIKOやNSK、ミスミも納期が長期化してるらしく、こりゃあ何が起こってんだろう? お金の匂いがする!って事で。

リニアガイドって日本語訳で「直動案内機器」っていうみたいだけど、職場では「直動案内機器」とは言わず、リニアガイドとかLMガイドっていう呼び方をしている。

リニアガイドっていうのは製造業の生産設備の直線運動をする部分に使用される部品なんだが、なぜこのリニアガイドだけが、供給が全然追いつかないのかピンと来ないので何かいい情報ソースはないかと探してみて見つけたのが、

週刊エコノミスト「脅威の工場自動化」

っていう雑誌で、内容を要約すると

1、自動車や電機産業中心だった自動化の裾野が他産業に急速に広がっている。食品、医薬品、化粧品等の三品産業が代表。

2、三品産業だけでなく、これまで困難とされてきたキャノンのデジカメの精密組立が可能になった。

3、人件費の高いドイツでもアディダスが少量多品種の靴製造が可能となり価格競争力のある製品を供給できるようになった。

4、人手不足の日本、人件費高騰の中国、インダストリー4.0を推進する欧州。それぞれの地域で事情が異なるが、世界で同時に工場自動化への需要が高まっている。

5、ロボットメーカーはこれまで「ロボットを導入しませんか?」と営業をしていたが、最近は「ロボットを使いたい」という引き合いばかり。

6、自動車工場の自動化率はプレス、溶接、塗装工程では90%以上に達する一方、組み立て工程は20%にとどまり、三品産業での自動化率はもっと低い。

7、ファナック、安川などの多関節ロボットは技術ハードルが高いが、リニアガイドが使われるヤマハ、IAI等の直行ロボットは、技術ハードルが低く中国ロボットメーカーも台頭してきている。

リニアガイド大手のTHKの2017年12月期の中間報告書の2ページの連結業績ハイライトをみると、確かに国内、米、欧、中国、どこも急激に売上が拡大している。

笑えるのが、各地域のコメントが「需要を着実に取り込み、売上に繋げました」のオンパレードで、もう世界中でLMガイドの需要が拡大しているのがうかがえる。

でも、この投資家向け資料では、LMガイドの納期が1年近い長期化している、他のガイドメーカーも納期が長期化していてこの業界バブリーです。ウハウハなんて事は書いてない。

納期が10か月かかるとして、仮に生産能力を2倍に拡大したとしても理論上、納期はそれでも5か月かかることになる。

これ、ひょっとしたら、今後数年この供給不足の状態が続くんじゃないんじゃないか?(つまり工場フル稼働の状態が継続)という気がする・・・


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